時代:江戸幕末
技法:染付
径約31㎝/高さ約12㎝
商品番号:39M52
迫力さえある大ぶりな染付の鉢です。内側は見込みと口縁部に柄を絞り、一見簡素なようですが柄が緻密に描き込まれていることが分かります。円環状の見込み部分には、山水と家。円環は青海波を模った文様でくるりと囲みます。
口縁部の柄には、なんと波兎。定番の組み合わせではありますが、器毎に異なる表情や姿勢が観測できるのが愉しい所です。こちらでは疾走感に溢れ、清々しい表情の兎を見ることが出来ます。波兎の横を辿りますと、山水図や線描きの幾何学文と花図があり3種の異なる柄を味わうことが出来ます。
側面にも内側と同様波兎図が。こちらには二羽の兎が、仲睦まじく目を合わせています。細やかに描き込まれた幾何文様も見逃せません。波兎の隣の面に描かれますのは、華やかに羽根を伸ばす鳳凰の姿。しっかと前を見据える表情から、画面に収まらないと言わんばかりの大胆にしなった羽根の模様まで、余すことなく描き込まれています。
縁はやや膨らみを以って変形しており、白く柄を抜くことで全体を引き締めています。
染料がぼやけた箇所もございますが、こうした跡も当時の一点ものでしか見られない味わいになっています。高台は縁に口縁部同様丸みがあり、蛇の目高台で造られています。たっぷりとした大きさで、大人数の時も安心してサラダやお肉を盛ることが出来ます。藍が涼し気ですので、水を張り花を活けてあげても風流に涼を感じられます。
ひとつひとつ職人の個性が出る器たちです。スレや歪みによる若干のがたつき、窯傷(焼成中に出来たもの)などがある場合もございますが、味わいある手仕事の魅力としてご理解いただける方にお譲りできますと幸いです。