伊万里焼~技法の違いとその魅力~
私たち吉祥寺PukuPukuでは現代の食卓に取り入れやすい
「伊万里焼」を中心に取り扱っております。
江戸時代、有田(佐賀県・有田町)で焼かれた磁器は
伊万里港から積み出しされていた為、
「伊万里焼」という名で普及していきました。
豊富な文様と技法があり、和食器・骨董品の中でも
扱いやすいことから老若男女問わず魅了し続けています。
ここでは、伊万里焼の絵付けの技法の違いと
それぞれの特徴や魅力についてお伝えして参りますので
是非、最後までお愉しみくださいませ。
【染付・そめつけ】
器に手描きで施した技法。
呉須(ごす・酸化コバルトを主成分とし鉄や
マンガンを含む鉱物質の顔料)と呼ばれる顔料を使っており、
成分の含み具合や焼成の温度でも発色は異なります。
明治期以降、ベロ藍(ベルリンの藍の略称。ヨーロッパから
日本に輸入されてきた化学的な合成顔料。)も普及します。
柔らかい線や力強い線、濃淡など描き手によって
それぞれ異なる表現が見られるのも染付皿ならではの魅力です。
↑描き方の特徴
【色絵・いろえ】
江戸期は金彩や絵具が高価だったことから、
色絵のものは数量はやや少なめです。
明治期以降、安価な絵具を輸入によって手に入れる事が
出来るようになった為、たくさん造られるようになります。
明治後半になると手描きだけでなく、印判との組み合わせや
プリントのものも多く見られるようになります。
↑プリントらしいシャープなライン(左下写真、右側の小皿)
【印判・いんばん】
型紙や銅板などの判を使って絵付けする技法。
明治期以降、大量生産を目的に新たな技法として導入されます。
印判には主に三種類の技法があります。
【紙刷印判・かみずりいんばん】
明治初期に普及した技法。型紙を器面に押し当て、
ステンシルの要領で染料を擦り付け絵付けします。
型紙摺絵(かたがみずりえ)とも呼ばれます。
【銅印判・どういんばん】
明治後期~大正頃に普及した技法。
銅版画、エッチングを応用したものです。
銅版に文様を削り付け紙に転写し、乾かないうちに
器面に押し当てて転写しています。
銅版転写(どうはんてんしゃ)とも呼ばれています。
【ゴム印判・ごむいんばん】
大正~昭和戦前に普及した技法。
文様が彫られたゴム印に顔料をつけて器面に押印します。
輪郭線をゴム印判で施し、染付で絵付けを加えることも。
製品は日用雑器がほとんどです。
↑印判三種の比較
生産効率を上げた為、なかには転写がずれてしまったり、
抜けてしまったりしている物もありますが、
現代ではその不完全さがアンティーク食器ならではの味や
印判皿特有の個性として人気が高いです。
江戸中期にもコンニャク印判、
紙刷古印判の印判技法が使われていますが、
製作期間が僅かで稀少性も高いことから
明治期以降の印判とは格別の扱いになっています。
明治期以降の印判皿でも希少価値や人気の高い
図変わり印判と呼ばれるものも。
西洋文化の影響を受けた文明開化図や動物柄など、
見ていて愉しい文様が多く、コレクターの方もたくさんいます。
いかがだったでしょうか?
時代によって様々な技法が使われており、
それぞれ違った魅力がありますよね。
吉祥寺PukuPukuのオンラインショップでは、
器の形から技法(染付、印判、色絵)のカテゴリー選択が可能です。
実店舗と品揃えが異なりますので、西公園前店にて更新中の
ブログや各店舗Instagramも併せてご覧くださいませ!